ほたる [暮らし]
お昼頃、JAFを呼んで、3週間バッテリーの上がったままの愛車を始動してもらい、
夫がバッテリーを買いに行き、交換してやっと愛車が使えるようになった。
そのまま思い立ち、遅い午後、横浜方面に向かって車を走らせた。
向かったのは、川崎市にある「岡本太郎美術館」。
数週間前、昨年亡くなられた岡本敏子さんの本を読んで以来ずっと気になっていた。
どうしても見たかったのは「母の塔」。
美術館に入るには時間の余裕がなかったが、
「母の塔」をゆっくり堪能することができて大満足。
やっぱり、岡本太郎はすごい。
あまりにぼぉっとしたまま、つい「太陽の塔」のちいさなオブジェを買ってしまった・・。
(立ち読みして気になった「強く生きる言葉」「壁を破る言葉」もその後買ってしまったが・・)
まわりの生田緑地という場所がまたすばらしかった。
ちょうど緑のグラデーションが折り重なり、
木々のむせぶような勢いと、しっとりと境界線のない深くつながる視野の奥へ
心まで溶けていくようだった。
帰り道、ふと「ほたるのくにへ」というみちしるべに目が留まり、
夫を見る・・
「ちょっと・・降りてみる?」
ふたりで吸い込まれるようにして階段を降りていった。
歩いていくうち、ずんずんと子どもの頃の記憶が蘇ってくる。
新潟(長岡市)にいた頃、信濃川で見たホタルのたくさんのひかり。
夕暮れどき、ほたるが現れるまでにはまだ時間はたっぷりある。
そんなにいられないなぁ・・と互いに思いつつ(たぶん・・)、
なんとなく立ち去りがたく、
普段しないような話をだらだらと話したりしながら
日が暮れていった。
人がだんだんと集まってきて、
なんだなんだ・・・?!
といっている間に、見合わせる顔も暗闇に包まれていった。
毎年訪れるらしい人たちの声。
おずおずと歓声のあがる方へ歩き出すと、遥か彼方にぽつんぽつんと光るほたるがみえる。
騒がしい人の群れから離れたくてふたたび引き返す。
完全にふたりだけになったとき、
ふと、夫の頭の上をほたるがふわりふわりと輪を描いた。
光の残像が残る。
美しい色のひかりの輪だった。
またひとつ、とほたるが集まる。
夫が上に差し出した傘の天辺にほたるがまさにとまりそうで、思わず息をひそめた。
近くでみえたほたるの光はちいさいながら、軌跡を残し、
わたしの心に5歳の夏を鮮やかに描いた。
すばらしい一日。
うわ~!うわぁ~!!すごく羨ましい~~~。
私ね、子供の頃に、友達と一緒にホタルを探しに出かけたことがあるんだ。
(出かけたといっても、ちょっと遠くの田んぼまで。今思うとかなり近所。笑)
でも、その時は、みつけられなかったんだ。
そういう「探検」をしても、私はホタルを見たかったんだな~って気持ちを
今日の記事を読んで思い出したよ。ありがとう。
まだ、この年まで、たくさんのホタルを見た事がない私。
いつか・・・いつか・・・みることが出来たなら、泣いてしまうかもしれない。。。
by ニコ (2006-06-18 20:24)
*ニコちゃんへ*
蛍を見たの、ウン十年ぶりだったんだよ。
そう、ニコちゃんがはじめに書いてくれたようなワクワク感、
探検に出かけるような気持ち、思い出した。
見つけても見つけられなくても、そういう感覚を思い出せたことが
何かを取り戻せかけたようで・・うれしかったなぁ。
最後の一文に、思わず泣きそうになった。。
by 月うさぎ (2006-06-18 22:46)
なんだかとても素敵な森ですね。緑が深くて空気がおいしそう。
そんな森の中にホタル、いいですねぇ。
子どもの頃暮らしていた家のすぐ下が田んぼで、家族や近所の人たちと「♪こっちのみーずはあーまいぞー♪」と歌いながら、夏が来るたびにホタルを見ていたのを思い出しました。
そういえば、もう何年も見てないなぁ…(寂)。
今気がついたのですが、
←【Tシャツアート展】のバナーを貼っていただいてたんですね!
どうもありがとうございます~。
いい展示ができるように、がんばります!
by こころ (2006-06-20 11:31)
*こころさんへ*
こころさん、来てくださってありがとう!
この日は久しぶりに遠出できたので、日常(寝たきり)を脱出できました。
緑がどこまでも深くて・・ほんとうに深呼吸を思い出しました。
こころさんのように、「♪こっちのみーずはあーまいぞー♪」と合唱している
子どもたちいましたよー(笑)なんだかほっとしますね。
こころさんもきっとそうだと思うのですが、わたしたち誰しも心の原風景に
こういう風景があるように思います。
はいっ!バナーなんとか(汗)貼れました(笑)!
今から、もう・・とっても楽しみなんです!
お目にかかれる日を楽しみにしています。
お体に気をつけて、あまりがんばり過ぎないようにしてくださいねー
今日、こころさんのところで梅雨明け宣言とともに
素敵な風合いの着物が風に揺れている姿を想像して・・
とても清々しい気持ちになりました。
by 月うさぎ (2006-06-20 22:38)
大阪の万国博覧会の「太陽の塔」
まだ小学生で、うちは貧乏だったから行けるわけもなく。
(でも筑波博は行きましたよ、母の田舎が茨城だもんで(笑))
岡本太郎さんって小学生の私には危ないオジサンにしか見えませんでした。
「岡本太郎美術館」は行ってみたいです。この歳になって造形とか色とか、なにか圧倒されるものを感じられるようになりました。
by ちょんまげ侍金四郎 (2006-06-21 10:12)
あの塔を見てちょっと笑ってしまいました。
本当に必死の形相であそこに人が立っていたら・・・
そんなことを考えてしまいました。
必死jyないと落ちちゃいますから・・・
by ふう (2006-06-22 19:42)
*ちょんまげ侍金四郎さんへ*
大阪の万博は会期中に訪れた人が約6420万人だとか。
当時の日本の勢いも感じます。
大阪に長い間暮らしていたので、万博公園になってから訪れました。
「太陽の塔」の記憶はしっかと焼きついています。
わたしにとって岡本太郎さんは、ピカソに対して抱いた第一印象から似ています。年を経るごとにじわじわ深く引きつけられるところまで。
仕事でピカソのゲルニカのことを話し、子どもたちと壁画作成するという試みを繰り返しているのも、何か理由があるのかもしれません。
魂が燃え尽きるその瞬間まで伝えようとすること、そういうことに人は
心を動かされるのだと思わずにはいられません。
by 月うさぎ (2006-06-25 00:44)
*ふうさんへ*
ふふふ
ふうさん、おもしろいこと考えられますねぇ
この塔の随分遠くから、少しずつ距離をつめて、真下から、
角度を少しずつ変えて・・という風にいろんな角度や距離感で眺めてみましたが、不思議な体感でした。
「母の塔」、すべてのはじまりを「母」とする、「女性」と知っている岡本太郎さんはとてつもなく純真で大きい人だと感じ入りました。
by 月うさぎ (2006-06-25 00:49)