「一に人間、二に音楽」 [音]
楽器を演奏すること。
子どもの頃からの夢のひとつ。
高校入学の日、目指すは吹奏楽部。
わたしの高校の吹奏楽部は、関西のコンクールでも上位の常連校。
百人以上も入部希望者がいるので、顧問の先生によるオーディションがあった。
入部に賭けていたわたしは、
えー?!オーディション?!・・そんなぁ・・・
当日はじめて知り、愕然・・
しかも、見渡してみれば、周りは中学校で楽器を吹いていた経験者も多い。
経験もまったくないわたしはもうだめだ・・・と意気消沈・・。
でも、高校生活では三年間やるって一度決めたこと・・
気を取り直して、集合場所へ。
オーディションでは、生徒が横一列に並び、先生が順番に簡単な意志確認や
短い質問をしていくというもの。
中途半端な気持ちのまま(人気があったから)ひやかし半分に来た生徒などは、
先生にじぃっと見据えられ、モゴモゴしか応えられず、しり込みしてしまう始末・・
さて、いよいよわたしの番・・(緊張高まる・・)
先生 「中学ではなんかやってたんか?」
わたし 「陸上部でした!」
先生 「楽器のことや・・」(あきれ気味)
わたし 「楽器は経験がありません・・」
先生 「なんかやりたい楽器あるんか?」
わたし 「ホルンです!」(きっぱり)
先生 「ホルンは経験ないと難しいぞ~~」
わたし 「はぁ・・・・・」(やっぱりだめか・・)
先生 「なんでホルンが吹きたいん?」
わたし 「”ハイジ”の主題歌で流れるホルン、父とよく見ている”新日本紀行”(地方紹介する
番組)のテーマ曲に感動して・・ああいう音を吹きたいって思いました」
先生 「ふ~ん・・・・好きな映画は?」
わたし 「サウンド・オブ・ミュージックです」
先生 「なんや・・変わったヤツやな~(苦笑)」
・・・と、こんな感じ・・。
そして数日後、体力テストの結果を持ち寄って、肺活量がずば抜けてよかったことも
あり、無事、ホルンパートとなった!
この時のよろこびを忘れたことはない。
台風で、天候が荒れる昨日今日、ふと思い出した、熱い思い。
指揮者である顧問の先生の口癖であり、教えでもある言葉。
「一に人間、二に音楽」。
演奏するのも人間なら、聴くのも人間、
思いやりのもてない人間には、豊かな音は奏でられない、
謙虚に、日々自分を磨きつづけること。
この先生との出会いが、わたしの人生を大きく変えた。
3年間休みなしの部活生活の中、日々繰り返されたこのコトバ、この教えに、
今のわたしの基本はある。
ホルンを吹いていたんですね~。妹と同じだ!・・と思ったら
妹はトロンボーンでした。(^_^;)
顧問の先生の言葉、私もとても響いてきました。
ご本人には思いも寄らないところで、こうして、自分の教えが
誰かを感動させる・・・
これぞ、教育者の本来の姿と言うか、理想なのでは?と思いました。
by ラムネ (2005-09-06 12:07)
☆ラムネさんへ☆
おっ妹さんはトロンボーンですか!音がちょっと似ています。
友人で、中学から10年間、トロンボーンを吹いている人がいます。
今も続けてるかなぁ・・
顧問の先生の言葉、ラムネさんにも届いてよかったです!
この先生は、音楽の教師も兼ねていらしたのですが、音楽の授業というよりは、毎時間、人間学のようでした。
昔の名作と呼ばれる映画を、こっそり(学校が厳しかったので)実にたくさん
見せてくれました!
こんな実のある授業をしてくれる先生に、今、本当に感謝しています。。
by 月うさぎ (2005-09-06 12:45)
「演奏するのも人間なら、聴くのも人間、思いやりのもてない人間には、豊かな音は奏でられない、謙虚に、日々自分を磨きつづけること。」
この言葉は鳥肌がたちました。。。豊かな音。。。初めての言葉です。凄い。。。ライブ前にいい言葉を頂きました。
ありがとうございます。
by ちょんまげ侍金四郎 (2005-09-06 13:04)
部活は技術や技量だけでなく、人間形成に大きく影響しますよね。
先輩や師となる教師に恵まれれば尚の事、財産になります。
いいなぁ、楽器ができるというのは出来ない私にとって憧れです^^。
陸上は種目は何をやってらしたんですか?
実は私、高校の時陸上部でした。
ちなみに種目は幅跳びでした。へへへ。
by shiho (2005-09-06 13:32)
シンヤも吹奏楽部だったんですよ。
そしてシンヤの甥っ子も中学に入って、野球部かサッカー部か陸上部か…
というような少年が、吹奏楽部にはいりました。
シンヤの影響が少なからずあるのでしょうか。
先生の質問に対し、きっぱりと答えていく月うさぎさんのことばを
応援するかのようなきもちで読みました。
いい先生に出会われたんですね。
わたしは小学校5年生のときの担任の先生に、文章の書き方を
教えてもらいました。
伝えたい人の頭に絵を描くように、と。
だから今でも書くときは、まず頭の中に白い画用紙を用意します。
by ユウ (2005-09-06 21:15)
ハイジの主題歌が聞こえてきました~
モゴモゴとしか答えられなっかた子の中に、緊張や恥ずかしさや本当に内気で、上手く受け答えができなかった子がいたかもしれない・・・
ふと、そう思いました。
こういう考え方をしてしまうのは、癖かもしれませんね(笑)
うさぎさんの夢が一つかなえられて良かった。
出会った先生によって、子どものその後の人生が大きく変わるんですよ。
何気ない教員の一言にひどく傷付けられたり、その反対も。
また、人間不信に陥ったり、逆に同じ道を選んだり。
良い先生に出会えた事に、感謝ですね。
台風の状況
風は次第に強くなってきていますが、
今のところ大丈夫です。
今夜、最接近らしいです。
by (2005-09-06 22:37)
仕事柄、高校生の面接をよくしたりします。
僭越なことを言うようですけど、ぼくが顧問の先生だとしても、
この受け答えだったら、きっと合格にしたと思います。
新日本紀行のテーマ曲にホルンが入っていたこと、意識してませんでした。
聞きなおしてみます(^^)
by enzian (2005-09-06 22:48)
☆ちょんまげ侍金四郎さまへ☆
ちょんまげ侍金四郎さんは、今日はライブだったのですか!!
どんなステージなんだろう・・ぜひ演奏を聴いてみたいと思っていました。
この先生は、この後、学校を辞められ、また今は復帰されて、音楽の授業と吹奏楽を教えているそうです。いつか会いに行きたい気持ちでいます。。
by 月うさぎ (2005-09-06 23:27)
☆shihoさんへ☆
確かに、技術を習得するだけでなく、その過程が自信につながったり・・。
費やす時間が長ければ長いほど、その場所での人間関係も密接になることから、学ぶことはヒジョーに多かったように思います。
わたしは自信を持てない性質だったので、日々のひとつひとつの鍛錬がとても役に立ったような気がします。
shihoさん、陸上部だったのですね~!!
スポーツウーマンだということは想像していましたが(笑)なんか嬉しい。。
わたしは、短距離専門でした。(根性あっても持久力ゼロ・・トホホ)へへへ
by 月うさぎ (2005-09-06 23:34)
☆ユウさんへ☆
シンヤさんとの共通点で、わたしもびっくりしました(笑)
少なからず甥っ子さんたちにもシンヤさんの影響あるのかも。。
>伝えたい人の頭に絵を描くように、と。
>だから今でも書くときは、まず頭の中に白い画用紙を用意します。
自分を表現するということ、
このことを教えてくれた先生との出会いは、大きいものですね。。
by 月うさぎ (2005-09-06 23:51)
☆agehaさんへ☆
そうなんですよね・・確かにその時わたしは、自分が答えることに精一杯だったのでそういう考えには及ばなかったのですが、後で思うと、もしかしたらそういう子もいたのかなぁと思います・・。
ただ、結局、先生は一度は希望者全員を合格にしたような記憶があります。(希望者ひとりひとりを知りたいという好奇心だったよう)
あまりの練習量の多さと厳しさに、ほとんどの人が一週間も経たず辞めていってしまいましたが(笑)
>出会った先生によって、子どものその後の人生が大きく変わるんですよ。
>何気ない教員の一言にひどく傷付けられたり、その反対も。
>また、人間不信に陥ったり、逆に同じ道を選んだり
agehaさんのおっしゃることすごくわかります!!
実はわたしが中三の時の担任教師は、思い出すのもムカつくくらいヒドイ人間で、今その話を思い出したついでに、夫に話しはじめはや一時間が経とうとしています(笑)
とてもこのコメント欄には書ききれませんが、そういう思いをしていたので、
この高校入学して出会えた先生には感謝しきれない思いがより強いのです。
ところで、勝手ながら、agehaさんはそれこそ”先生”に相応しいように思います。色んなところに気づくことができて、決して見捨てず、いいところを存分に伸ばしてあげられるような・・・(本気です)
by 月うさぎ (2005-09-07 00:21)
☆enzianさんへ☆
enzianさん、お久しぶりです!来てくださって嬉しいです。
enzianさんに合格いただけるなんて(笑)相当な自信になりますよ~!
当時、抱えていた思いは熱いものの(笑)、人見知りが激しく、緊張屋で
はっきりものが言えないという三重苦(苦笑)だったので、か・な・り頑張ったと思います!
何が何でも入部したいという思いが相当強かったのでしょうねぇ~。。
何より驚いたこと、
それは、enzianさんが”新日本紀行”のテーマ曲をご存知だったことです!
これは、相当嬉しいことでした!!(ワーイ)
by 月うさぎ (2005-09-07 00:31)
おはようございます
ライブは今度の土曜日、都内某所です(笑)
いい歳をして、いまだにサラリーマンバンドのリーダーをしています。平均年齢30後半、ボーカル至っては20代(笑)
完全なロックですから、ひたすら喧しい~~~です(笑)
by ちょんまげ侍金四郎 (2005-09-07 08:40)
☆ちょんまげ侍金四郎さんへ☆
ちょんまげ侍金四郎さん、おはようございます!
早とちりしました(汗)週末なんですね(笑)
サラリーマンバンド!大いにカッコイイ!!
音楽は、(いくつになろうとも)ずっと人に表現し、伝えられるものだと思っています。
素晴らしいですねぇ
ちなみに、わたしはロック!大好きですよ(笑)
by 月うさぎ (2005-09-07 09:23)
おひさしぶりです!
他にもコメントしたいけど、時間が時間なので、今日はここだけ。
ホルン!フルートとホルンは音がだせなかったです!
そういう私は中学の時クラリネット吹きでした。
でも、1年の時だけです。顧問の先生が気に入らなくって辞めちゃいました(苦笑)
合奏は気持ち良いですよね~!!!
音あわせとか、演奏する時は他の音もちゃんと聴いて自分が音と一体になるように集中させる、ピタッとはまったときの快感はたまらないですよね~
陶芸も、絵もこういう瞬間ってあるんですよ、その瞬間を追うためにやっているのかもしれません。すごく自己中、へへっ
by tomo (2005-09-09 01:30)
☆tomoさんへ☆
わー!tomoさん!お元気でしたか~?!うれしい!
お忙しい中、ありがとうございます!
tomoさん、クラリネットを吹いてらしたとは・・かなり楽譜が読めるとういことですねぇ(クラの楽譜のスゴイったら!)うらやましいなぁ・・ホルンは長~い音符がほとんどですから(笑)
そうなんです(力!)!何よりも”合奏”が好きで、合奏の時間は、毎回のようにとても幸せな気持ちになり、涙をこらえるの必死でした(恥)・・
>集中させる、ピタッとはまったときの快感はたまらないですよね
この言葉に尽きます!こういう自分の感情に出会えたことが、とても貴重な体験をできたなと。
そうなんですよね。
一度、こういう感情の回路(?)が開くと気づくのですが、何かを表現する時に”あ、これ・・”と気づくというか、ピタッとくる感覚、”わかる”瞬間ってありますよね・・
陶芸は、一度体験でやったことがあるだけですが、実はとても子どもの時からすごく惹きつけられたものでした・・
tomoさんの”その瞬間を追うためにやっているのかもしれません”
この言葉に深く感動しました・・。
かっこいいなぁ・・tomoさん、いろんなことが体と心で感じて、わかって・・
やっぱりtomoさんの作品、見に行かなきゃ~!!
by 月うさぎ (2005-09-09 12:16)
はじめまして。私も中学時代陸上をやっていて、高校でホルンを吹きたくて吹奏楽に入りました。なんでホルンやりたいの?と聴かれて、音に惚れたのでと答えた覚えがあります。ホルンの演奏には謙虚さと気合いはかかせませんよね。
by katz (2005-09-11 22:15)
☆katsさんへ☆
katsさん、はじめまして。ようこそ来てくださいました。
なんだか・・親近感が湧いてきますねぇ。。(笑)
陸上と吹奏楽。このふたつは、わたしにとって、とても大切な要素でもありますから。。
そうなんです!ホルンにはわたしも音に惚れたのです!
”こうもり序曲”、”ジュピター”、”運命の力”・・ホルンの表情は、シーンごとに豊かで、強く、やさしく包み込んでくれる・・そんな音に、ずっとあこがれていました。
キモチを共有できたようで、とても嬉しかったです!
またよかったら遊びに来てください。
by 月うさぎ (2005-09-12 09:48)
またしても、すっかり書き込みした気になっていました。
すごい!月うさぎさんっ
なにがすごいって、私の拙い文章から私が言いたかったことをバッチリ読み取ってくれた!そうです、まさにそのとおり!
その瞬間って、学生の頃にやっていた事(ブラスバンド等)では体感できることが多かったのですが、陶芸ではまだまだ”掴んだと思ったらスルッとすり抜ける”の繰り返しです。そこが”趣味”と”仕事”の差なのかな~?なんて思ったりして。
なんだか雷雨が激しくなってきたので、また今度!
by tomo (2005-09-15 14:00)
☆tomoさんへ☆
こちらにもありがとうございます!
tomoさんの文章が拙いなんてこと、絶対に!ありませんよー(叫)!
わたし、たいして読解力ありませんから(恥)。
それに、たぶん、同じような経験を共有した仲だからじゃないですかねぇ。
tomoさんにとって、そういう感覚をわかっていながら、陶芸でその境地にたどり着けるようでたどり着けないような・・見えないようで見える瞬間があって・・
その手の届く加減が、また引き寄せられる力になって、tomoさんの作品の力になっているのかもしれませんね・・
それが達成されるときこそ、最高のイイ仕事!ではないですか!!
なんだか形にしていく仕事って、すごく大変そうだけど、生み出せたとき、表現しきった時に自分が目にでき、さらに力をもらえる・・そう考えると、素晴らしい仕事だなぁ・・と、本当に思います。
by 月うさぎ (2005-09-15 18:43)