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みえない音 [音]

映画「地球交響曲第6番」を観た。

「音楽は人類誕生のはるか以前からこの世にあった。
言いかえれば、音楽は人類がはじめて作ったものではない。」
海洋生物学者のコトバが印象に残る。

”目にみえない”ものについて思いをめぐらせているせいか、引き込まれるように観た。
映像に、自分もふっ・・とその場にいるかのような錯覚をおぼえたり、
記憶に沈んだ何かに振動し、細胞がふくらむようなみずみずしい覚醒にはっとしたり。
自然とのつながりの中でつかまえたみえない音の音色やゆらぎのわけを聴きに、
遠くワープしたよう。

音の波。

シタール、ピアノ、チェロ、鯨がうたうウタ、
向こうから流れるやまない音のふるえ。
みえない音をつかまえる。
本能の反応。

何かに触れられてはじめて眠り続けていたものが目覚める。
風が梢を撫でるように。
そんな気づきと似ているような気がした。

命を生み出した大きな存在に身をゆだねることはむずかしいことじゃないのかもしれない。
人間として生きるということを思いちがいしないようにしなくては。

めずらしく即買いしたこの映画のサントラ盤を聴きながら、傾いてしまったわたしの心を
取り戻したい。


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夏の終わり [音]

朝、散歩するとき、まわり道して通りぬける森。

つい一昨日までは油蝉の大合唱だった。

今朝はもう、ひたすらシャワシャワシャワ・・

四方八方から沸き起こるツクツクホウシの洪水を浴びながら、
次へ進まなくてはいけないのに
まだ何も気持ちの準備ができないまま
自分だけがおいてけぼりにされたような無力感。

いくつになったって、胸がしめつけられ、眩暈を起こしそうになる。

ナツの終わりを知るもののシラベ。



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SAILING [音]

小学生の頃から、(どちらかというと)邦楽よりも洋楽の方が耳に親しんでいた。
これは兄の影響によるところが大きい。
主に、UKロック。

ひさしぶりに今日手に取ったRod Stewartのアルバム。
中でも”sailing”は大好きな曲。
いつどこで聴いても心に湧き起こるなつかしさ。
この感覚は、初めて耳にした瞬間から今もずっと変わらない。

ヘミングウェイのような海の男を想像しつつ、
少年、男そのものから、
ひとりの人間がほんのつかの間旅したような
ふとこれからおくる人生をもう通り過ぎてしまったような錯覚・・なぜかそんなシーンが浮かぶ。
瞬間と永遠の時間の浮遊・・
ゆらゆらと。

流れてくるメロディーラインや言葉は、今日も心をゆさぶった。

夏、かんかん照りの晴れ渡った海でくたくたになるまで泳ぎ遊び疲れたあと、
浜辺に座り、夕日が沈んでいくのを静かに眺めているようなきもち。
大切な瞬間を見逃さないように。

・・・I am flying
I am flying
Like a bird
Cross the sky
I am flying
Passing high clouds
To be near you
To be free

We are sailing
We are sailing
Home again
Cross the sea
We are sailing
Salty waters
To be near you
To be free・・・


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ふりむく [音]

コンプレックスは数多くあるが、中でも特に声には自信がない。

元々の発声がなっていないせいか、通りが悪い、小さい、ハスキー(←よく言えば)・・。
(お酒も煙草もやらないと言うと驚かれることもしばしば)
舌足らずの逆で、舌が余るのか(?)はきはきとしゃべることができず我ながらもどかしい。

そういえば、小学一年生のとき、
担任の先生に「お前の声は、オオハラレイコに似てるな」と言われたことがある。

さて、小学校の教室移動では、毎度誰かしら忘れものをしていく。
「忘れもののないように!」と言っているそばから、忘れていく。

子どもの頃から足が速かった(←唯一の自慢)。
だから、簡単に追いつけるはず・・・。

ところが、子どもたちはあっという間に駆けていくから、なかなか追いつけない。
(しかも学校の廊下は走ってはいけない・・)
後ろから、「○○く・・ん」と、このわたしが呼んだところで振り向いてはもらえない。

日々、こういう光景は何度とあるから、
とりあえず、子どもの後を走って追いかける、
・・もっとがんばって追いかける・・(なるべく大声を出したくない・・)
でも、追いつけない・・。
「○○くん」と呼んでみるが、やはりわたしの声は届かない。

思い切って、息を吸い直し、目をつぶって
「○○くんっ!!!」と叫んでみた。

○○くんは、足を止め、パッと振り向いてくれた。

「はい、これ忘れもの。」

顔は上気し、お腹と背中までもが熱くなっていた。
どこからくるものなのか、この達成感。
手渡せたときの充実感・・。

大きな声を出せたことは、なかなか爽快な気分だった。
すっとした。


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口笛は風に乗って。 [音]

急に思い立って、レイトショーで上演されている「サヨナラCOLOR」という映画を観に行った。


なつかしい思い出みたいな海の風景や光が印象的で、
主演の原田知世の透明感と竹中直人の生身の人間っぽさが対照的で
2時間はあっという間に過ぎた。

パンフレットにある竹中直人監督の言葉が心に残る。

 「・・・この年齢になってくると自分の周りの人が亡くなったりと死を身近に感じることが多くなりますよね。(略)人が亡くなるというのはすごく寂しいことです。でも母はずっと自分の中に生きていて、母が残したものはずっと残っている。僕という存在も母が残したものでもあるわけです。(略)あっという間に人の一生は終わってしまうからこそ、僕は人生の中でどれだけちゃんと愛せるのか。その一つ一つの出会いが自分を支えてくれるんだと思うし。
 そしてやっぱり僕は映画が好きだから これからもずっとずっと映画を創っていけたらいいなと思  います。」

映画を最後まで観て、主人公たちの生き方に納得できた言葉でもある。
自分の儚い一生にも思いをめぐらせた。

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 「サヨナラCOLOR」を初めて聴いた瞬間、深く感銘を受けた監督は、いちばん大切なシーン、
 もっとも思い入れの強いシーンに、是非この曲を流したいと決意したという。
 「ある日、タカシがウチに遊びにきてくれて。その時に生で「サヨナラ~」を歌ってくれたんだけど、それを聴いた時なぜだか涙が止まらなかった。ただ素直に”なんていい歌なんだろう”って思えたからだと思う。感動に理由も理屈もないから・・」

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この歌にはそれだけの力があると思う。

以前から忌野清志郎のファンだが、ハナレグミと清志郎、クラムボン、ナタリーワイズ、
という人たちの音楽性にもすっかり魅了された。

風に乗って流れてくる口笛さえどこかせつなくて、
ポロンポロンと響いてくるピアノの音色、
流れるメロディーと詞の余韻がずっと、耳に心に残っていく。

これから先の人生、どの時点で耳にしても
ココロに触れるせつなさがあって・・
心が震えそう。。


    サヨナラから はじまることが
    たくさん あるんだよ
    本当のことが 見えてるなら
    その思いを 捨てないで
                  (「サヨナラCOLOR」作詞・作曲:永積タカシ)

(※上記の写真2枚は、「サヨナラCOLOR」劇場パンフレットより転用したものです)


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名作を、生み出したひと。 [音]

好きな映画は何ですか?
と聞かれたら、迷わず、真っ先にあげる一本。
「サウンド・オブ・ミュージック」。

その名作を生み出したロバート・ワイズ監督が、14日、心不全のため亡くなったと
ニュースで知った。91歳。人生の50年以上にわたり、映画製作に携わった人。

ロバート・ワイズ監督の作品は、映像の美しさ、素晴らしさもさることながら、
作品の中で、全編を通して流れる音楽の魅力が最大であるように、わたしは感じている。

そういう意味でもうひとつ、特別な思い出がある作品、
「ウエスト・サイド物語」。
ニューヨークを舞台にした悲恋の物語。

これは、吹奏楽部に所属していた高校生の頃のわたしの思い出。
学芸祭に向けて、吹奏楽部と演劇部が一体となり、
かなり本格的な熱の入れようで、作りあげていったものだった。

演劇部は、ミュージカル仕立てで演技をし、歌い、踊る、
そして、すべての音楽は、ライブで吹奏楽部が演奏するというもの。
当日は、他校からも、父兄にもなかなかの好評だった・・。(自画自賛)

本作品を何度もくりかえし見ては、その熱のあるリズム、音、流れるムード、
せつないストーリーに、胸を高鳴らせた。

しかし、やはり、わたしにとって、いつまでも変わらないもの。
目にも、心にも焼きついてはなれないもの、
それは、親に連れられて行った映画館で、はじめて観た「サウンド・オブ・ミュージック」。

そのオープニングシーンからすべてを、今でも本当によく覚えている。
今となっては、もう何度くりかえし観たかわからないほど・・。

あんまり音楽もいいので、父は当時、レコードも買ってくれた。
くりかえしくりかえし聴いて、その内、ソラで歌えるようになった。
映画を観て以来、すっかりジュリー・アンドリュースの虜になり、
理想の女性像になってしまったほど(!)。
歌うときには、ジュリーアンドリュースにしっかりなりきって(笑)。

あの、ジュリー・アンドリュースの表現力と、胸が透くような・・魅力あふれる澄んだ笑顔は
子どものわたしにでさえ、それほど衝撃的だった。

そして、大自然の山なみと大地がぐーんと広がっていく素晴らしい景観を、
鳥肌が立つくらい感動して、見入ったことを、今でも鮮やかにこころに思い描く。

わたしにとって、永遠の最高傑作。

きっとこれからも、くりかえし見る、大切な大切なもの。
こういうものを子どもたちにも伝えていきたいと、改めて今日の日に思う。


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「一に人間、二に音楽」 [音]

楽器を演奏すること。
子どもの頃からの夢のひとつ。

高校入学の日、目指すは吹奏楽部。
わたしの高校の吹奏楽部は、関西のコンクールでも上位の常連校。
百人以上も入部希望者がいるので、顧問の先生によるオーディションがあった。

入部に賭けていたわたしは、
えー?!オーディション?!・・そんなぁ・・・
当日はじめて知り、愕然・・

しかも、見渡してみれば、周りは中学校で楽器を吹いていた経験者も多い。
経験もまったくないわたしはもうだめだ・・・と意気消沈・・。

でも、高校生活では三年間やるって一度決めたこと・・
気を取り直して、集合場所へ。

オーディションでは、生徒が横一列に並び、先生が順番に簡単な意志確認や
短い質問をしていくというもの。
中途半端な気持ちのまま(人気があったから)ひやかし半分に来た生徒などは、
先生にじぃっと見据えられ、モゴモゴしか応えられず、しり込みしてしまう始末・・

さて、いよいよわたしの番・・(緊張高まる・・)

 先生  「中学ではなんかやってたんか?」
 わたし 「陸上部でした!」
 先生  「楽器のことや・・」(あきれ気味)
 わたし 「楽器は経験がありません・・」
 先生  「なんかやりたい楽器あるんか?」
 わたし 「ホルンです!」(きっぱり)
 先生  「ホルンは経験ないと難しいぞ~~」
 わたし 「はぁ・・・・・」(やっぱりだめか・・)
 先生  「なんでホルンが吹きたいん?」
 わたし 「”ハイジ”の主題歌で流れるホルン、父とよく見ている”新日本紀行”(地方紹介する
      番組)のテーマ曲に感動して・・ああいう音を吹きたいって思いました」
 先生  「ふ~ん・・・・好きな映画は?」
 わたし 「サウンド・オブ・ミュージックです」 
 先生  「なんや・・変わったヤツやな~(苦笑)」

・・・と、こんな感じ・・。

そして数日後、体力テストの結果を持ち寄って、肺活量がずば抜けてよかったことも
あり、無事、ホルンパートとなった!
この時のよろこびを忘れたことはない。

台風で、天候が荒れる昨日今日、ふと思い出した、熱い思い。

指揮者である顧問の先生の口癖であり、教えでもある言葉。

  「一に人間、二に音楽」。

  演奏するのも人間なら、聴くのも人間、
  思いやりのもてない人間には、豊かな音は奏でられない、
  謙虚に、日々自分を磨きつづけること。

この先生との出会いが、わたしの人生を大きく変えた。

3年間休みなしの部活生活の中、日々繰り返されたこのコトバ、この教えに、
今のわたしの基本はある。


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ナツカシの・・ [音]

今朝いちばんのニュース。
1991年結成の異色ユニット「HIS」が14年ぶりに再結成されると知りました。

うぉぉ~~!
「日本の人」持っていますとも。

バリバリ働いていた頃です。
邦楽のコトバとメロディーに目覚め、心ときめかせていた頃です。
そんな時、演歌歌手・坂本冬美のセーラー服姿に衝撃を受けました。

細野春臣&忌野清志郎&坂本冬美
三人のアルファベットの頭文字を一字ずつとって「HIS」!
ふぅ~っ・・・

結成されたばかりの当時でさえ、
メロディーが流れた途端、懐メロっぽく奏でられる音の波に胸がきゅんとなり、
そこに坂本冬美のコロコロ回るこぶしとパンチの効いた艶っぽい声
+清志郎のあの独特のなんともせつない叫び声が合わさると、、
それはもうたまらないでしょう・・・
中でも好きな一曲は、夜空にきらめく星に熱い思いを乗せた「夜空の誓い」。
その詩の情景が体感できるようなキモチでいっぱいになったものです。

こういう体験って忘れていないものですね
あぁ・・懐かしい・・
探して聴いてみよう

新曲は「Oh,My Love~ラジオから愛のうた~」(7月27日発売)。
期待大です!


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