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あの、夏の日のように [家族]



   母という字を書いてごらんなさい

   やさしいように見えて むづかしい字です

   格好のとれない字です

   やせすぎたり 太りすぎたり ゆがんだり

   泣きくずれたり・・・・・笑ってしまったり

   お母さんにないしょですが ほんとうです

子どものわたしは、いつしかそらんじて言えるくらい、この詩を好きになっていた。
この詩の意味を知るほどに、母のことを、知った気がして。




一年前、母から届いた手紙。
ひさしぶりに、読み返した。

 「あなたが生まれた日、暑くて長い一日でした。
  ちょうど今年の夏のように。
  お産の日も、ジリジリと照りつけるようで、今のようにクーラーも無く。
  産室を出て、病室に戻ったら、
  生まれてきたあなたは、とてもしあわせそうでした。
  このところの異常な暑さの中で、いささかダウンしながらも、
  37年前、あなたが生まれたこの日のことを、めずらしく、思い出しました。」

母は、わたしにとって、ずっと母だ。
でも、母は、ずっと、自立したひとりの女性だった。

子どもの頃、ともだちが持っている何かがとてもうらやましくてぐずったことがある。
その時も母は、「よそはよそ、ウチはウチ。じぶんはじぶん。」と言いきった。
いつものように。

今や、わたしはそういう考えがすっかり板についた。
そう。自分は自分。

今でも覚えてる。
台所で、「ケ・セラ・セラ」を口ずさみながら、立ち働く母の姿を。

いつまでも、まぶしいひと。


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ラムネ

カッコイイ、素敵なお母様ですね♪
うちの母は子供のような人で、私の方が母みたいです(笑)
普通に話し合いが出来ないんですよね。
だから、進路相談なんかもしたことなくて(しても「ふーん」で終わり・笑)
昔から、なんでも自分で決める癖がありました。
レストランに入っても、中学生ぐらいからは綿sが家族分をとりまとめて注文。
父も母もモジモジして「ラムネ、頼んで」というんです(笑)
でも私、母が大好き。
持病が悪化してて食事が満足に摂れなかった時
「どうせ食べられないから、なんにもいらないよ」って言ってるにも関わらず
冷蔵庫のパーシャル室には私の好物が入ってたりしました。
(それ、家族は誰も食べないから、完全に私のために買ってある)
口下手な母の愛情を感じました。普段は絶対に私を慰めたりしない人です(笑)
ちなみに私、「母」という字を書くの、すごく苦手(笑)
by ラムネ (2005-08-31 09:19) 

ユウ

月うさぎさんやウツボさんばかりでなく、
月うさぎさんのお母さんにも会いたくなりました。
すてきなお母さんですね。
すてきな手紙だ。
すてきなことば。

わたしの母の手紙はとてつもなく変
(文法むちゃくちゃ、なぜかやたらと人を心配させるような報告が多い、など)ですが、
それでもわたしは毎月届く母からの葉書をとても楽しみにしています。
by ユウ (2005-08-31 09:19) 

月うさぎ

☆ラムネさんへ☆
ラムネさん、母をほめて下さって、どうもありがとう!

ラムネさんのご両親、娘に”頼んで”なんてさらっと言えて・・なんかいいなあ。
(わたしもレストランでよくこういうことやるけど、仕切り屋呼ばわりですよ・・)
タイプがちがうけれど、読んでいてすごく場面が想像できちゃったんですけど(笑)
わたしも、実は最近になるまで母とは話があまりできなかった。
というか、話にならない。言っても仕方ないや・・という気にさせられるというか・・。いつもひと言で終わり。
子どものとき、すごく学校でほめられたことがあって、すっ飛んで帰って、真っ先に喜び意気込んで報告しても「あぁそう。よかったやない」とそれだけ。一事が万事そんな感じ。今やっとその境地に近づけた気がしているのです(笑)。

冷蔵庫にラムネさんの好物をしまわれるおかあさん、下手に慰めたりしないおかあさん、そういうラムネさんに育ててくださったおかあさん、やっぱり素敵だ、と感じます。
by 月うさぎ (2005-08-31 11:10) 

月うさぎ

☆ユウさんへ☆
ユウさんになら、母のよさ伝わるかもなあ・・
母に会いたいと思ってもらえてうれしかったです。
わたしはこの年になるまでなかなか母の良さに気がつかなかった。
しょっちゅうぶつかってばかり(一方的にですが)。
見かけはどうであれ、男よりも男らしい精神を持った人、それが母です。
母以外は男ばかりという9人きょうだいの真ん中で育ったせいでしょうか。

ただ、弱いところのあるわたしには、時にはズキンとこたえることも、
母の言葉のおかげで(後になって)救われたことはたくさんあるような、
そんな気がしているところです。

ユウさんとおかあさんの手紙のやりとりに、とてもあたたかいものを感じました。
 
by 月うさぎ (2005-08-31 11:16) 

おりこうしんや

ぼくも月うさぎさんのお母さんにお会いしたくなりました。

月うさぎさんの近くには、
すてきな方がたくさんいらっしゃるのですねぇ。

いま、ぼくは、リリーフランキーさんが書かれた
「東京タワー・オカンとボクと、時々オトン」という本を読んでいて
「母」や「家族」といったものを強く感じています。
なので、とてもビビビッときたのかもしれません。

生きるというお話も、何度も読ませていただきました。
何度もコメントしようと思ったのですが、
何を書いていいものか。
ぼくからは、陳腐な言葉しか浮かばず、
コメントを断念しました(苦笑)。

それにしても、いいお話をたくさん読ませてもらって
ありがとうございます。

ユウのお母さんからやってくる手紙。
いつもとってもいい風を運んでくれるんですよ。
月が変わるので、そろそろやってきそうです。
by おりこうしんや (2005-08-31 13:15) 

月うさぎ

☆おりこうしんやさんへ☆
リリーフランキーー!!これ、白い表紙に文字がたくさん書いてある本ですよね??数ヶ月前、本屋で目にしてから、ずっと気になっていた本だ(この人結構すき!)とてもいい本みたいですね。
シンヤさんが読まれている本なら、ぜひわたしも読んでみよう!(笑)

”生きる”を読んでのキモチ、こんな風に話してくださったことで十分です。
胸がいっぱいになりました。。
載せておきながらこんなこと言うのは何ですが、本当に言葉が浮かばなかったです・・(涙)

こうして今は、ブログを通して知り合えたシンヤさんユウさん(はもちろんのこと)をはじめ、わたしは本当に人の縁に恵まれていると感じます。
感謝してやみません!
by 月うさぎ (2005-08-31 18:07) 

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