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転校生 [コドモと]

なつかしい感覚を思い出す。
すこしの緊張と甘酸っぱさがまざりあうような感じ。

相手と自分の間にできる境界線のカタチ、イロ、温度。

境界線がやわらかくなる、
硬かった影が伸び縮みする。
日が射すように安全色にかわっていく。

挨拶を交わすだけでうれしい。
名前を呼んでもらえたら、なおうれしい。
たわいないことで笑い合えたら、毎日はいっそう楽しくなる。

”センセイ”としてでなく声をかけられることが増えた気がして、
そのことがただうれしかった。

何してるの?
どんなことが好き?
何の本読んでるの?
いつもどんなことしてるの?
これ、あげる、
こんな服着たらかわいいのに、
ねえ、聞いて・・

ともだちになりたい、好きな人のことを知りたいと思う気持ちはなんてまっすぐなんだろう。

ひとつ知り、
すこしわかったような気になる幸福。

影はいのちを吹きこまれたようにしなり、行き来しあう。

ふと、自分がこの子どもたちの同級生のような気がしてくる。
そうだったらよかったのにとさえ思う。

今なら、もっと素直になれるのに。




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コメント 10

ニコ

境界線ね~、わかるわかる^^
私はその人その人によって、違いを感じるほうだけど
こういうの、わからない人もいるよね。(例えばうちの夫がそう)
彼は変わっていて、人を知ろうとしないの。
両親や兄弟、友達、誰にも・・・人間に、ほとんど興味がないらしい。
だから「○○さんってどんな人?」って彼の一番親しい人のことを聞いても
「んー・・・明るい人?・・かな?」とかその程度の返事(^_^;)
不思議な人と、一緒に住んでいるニコです(笑)
by ニコ (2006-05-09 11:53) 

ちょんまげ侍金四郎

現役で空手道場に通っていた頃、五時から七時くらいまで小中学生の指導をします。(その後、七時から九時近くまで大人だけの時間になります、週一とはいえ、よくも四時間もやっていたものです(笑))

門下生はだいたい地元の子供達なので、たまに偶然町中で会うことがあります。
ある日小学校の脇道を自転車で走っていたら、遠くから「押忍!」と声がかかります。
振り返ると道場に通って来ている小学校低学年の男の子がニコニコしながらこちらに手をふってくれました。
なんか嬉しかったですね。

ふざけていると怪我をさせてしまうので結構厳しい指導員だったんですけどね(笑)
by ちょんまげ侍金四郎 (2006-05-09 17:20) 

ふう

尊い時間というか。
振り返るとキラキラしていて
宝物のような時間ですよね。
by ふう (2006-05-09 18:36) 

月うさぎ

*ニコちゃんへ*
・・うちにもいる(笑)
外食したと聞いて”おいしかった?”と聞くと、いつも「ふつう」。
・・・ふつうってどんなだよ。
どんな味?どんな人?どんな気がした?そのいずれにも当てはまる(苦笑)そうか・・不思議な人と暮らしてると思えばいいのか(笑)
打っちゃっておけない自分を責めがちであったよ。
by 月うさぎ (2006-05-09 19:09) 

月うさぎ

*ちょんまげ侍金四郎さんへ*
空手の道場。その居場所は子どもにとって得がたい経験ができ、
教わることが多そうですね。
色々な年齢の人といっしょにいることの大切さを、
過去を振り返ったとき、実感としてわかるようになりました。

「押忍!」と声をかけられるなんてなんだかうらやましいです(笑)
信頼関係がみえる。ちゃんと伝えたいことが伝わっている気持ちよさ・・相手がちいさいヒトだろうが、通い合うものは確かですね。
そして、やっぱり挨拶は基本の「キ」なんだな、としみじみ思いましたよ。押忍(笑)ありがとうございました!
by 月うさぎ (2006-05-09 19:21) 

月うさぎ

*ふうさんへ*
そうですね、子どものときにおぼえた感覚(皮膚感覚も含め)って
まだ何の防御もないところにストレートにズドンとくるから
はっきりしてるように思う。
感じたこと、いつまでもちゃんと自分のカラダでおぼえていたいと思います。
by 月うさぎ (2006-05-09 19:25) 

racdasan

昨日、同じような空を見たところです。
飛行機雲がすーっと長くくっきり伸びて、やがてその境界線が
やわらかくなって・・・。
GW中に子供達とお弁当を持って山奥の川へ行きました。
そういえばここ、前に来たことあるけどいつだったっけ?
そうだ、ここは学生の頃塾の先生のバイトをしていて、
春休みに6年生を卒業した塾生とさよなら遠足をしたんだ!
実に19年ぶりの記憶でした。先生と呼ばれたことがあったんだなあ、
としみじみ・・・。蝶を手で捕まえてあげたり、葉っぱの川流し競争をしたり、塾の時間より慕われてた気がします。
by racdasan (2006-05-10 09:52) 

月うさぎ

*らくださんへ*
実はこの写真、過去の一枚。
だって、最近の空と言ったら・・まるで梅雨のよう・・(涙)
一年の中でも梅雨前の好きな季節だからこそ、気分だけでもスカーッとしたいなぁ・・と思いまして(笑)。

山奥の川とは、うらやましい!
らくださんは塾のセンセイだったのですね。
風景からあっという間にたちのぼる記憶、わたしにも覚えがあります。
どこに扉が開かれているのかわからないだけにはっとします。

>蝶を手で捕まえてあげたり、
>葉っぱの川流し競争をしたり、
>塾の時間より慕われてた気がします。

触れ合った子どもたちの記憶の中で、らくだセンセイとのこちら側の時間はまちがいなくひときわ鮮明でしょうね。
一緒に過ごすこういう時間って、貴重だなぁ。。
by 月うさぎ (2006-05-10 19:15) 

coba

>ふと、自分がこの子どもたちの同級生のような気がしてくる。
>そうだったらよかったのにとさえ思う。

私はこう思うよ。
「この子どもたちは うさぎさんのような『大人』に会えて
よかったな~」と。
「質問攻めしたくなったり、何かあげたくなったりする
『大人』に出会えてよかったな~」と・・・。
by coba (2006-05-27 13:44) 

月うさぎ

*cobaさんへ*
過去の記事まで読んでくれてありがとう!
うれしいなぁ。
しかもこんな温かいメッセージ・・心に染み渡りました。。
だけど、そんなあなたにそっくりそのまま当てはまる言葉だとわたしは
確信していますよ!cobaコーチ(笑)!
by 月うさぎ (2006-05-29 00:09) 

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