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いつか、きっと。 [キモチ]

人生には「出番待ち」というものがあると、私は思っている。

せっかく日本人に生まれてきたのだから、
四季折々の暦の流れに寄り添った暮らし、行事、祭事、ことば、
その土地の歴史・文化・風習、ハレ・ケの日、弦担ぎ、土地にまつわる民話、
旬の食材を育て楽しむ、着物、書道、、などなど知りたいこと、やりたいことは数限りない。
だからこそ、いつしか引き出しをすぅ~っと出せるように
栄養をあげる備えの時期だと、今は思っている。

年齢を重ねるごとに、色々なことをさりげなく取り入れ、身につけていければ・・
そんな風に、おばあちゃんになっていきたいと思う。

大学一年生の時、外国の友人に
「日本はどんなところですか?」と聞かれ、
「京都、神社、寿司、、(あぁ、、)東京タワー・・・モゴモゴ・・」なんて
自分でも思ってもいないようなちぐはぐな答えをし、思い切り後悔した。
(「一体、今まで何を見て、何を語って、生きてきたんだ!」)
この友人の求めていたことに咄嗟に応えられなかった自分が
情けなくて情けなくて、仕方がなかった。
その時代の等身大の自分に言えることがきっとあったはずだから。

日本の魅力は、その文化、言葉にしても、いいところもたくさんあるだろう。
それぞれの人が生きた歴史から。
その時代それぞれの暮らしから。

「京都」は幼少時代の私にはとても身近な存在であった。
しかし、実際に暮らしてみたわけではないし、
「京都」の何を知っているかと問われれば、いや、何も知らない。

だが、子ども時代の記憶を辿ってみると、
大阪とも神戸とも違う独特の響きとニュアンスを持つ方言や言い回し、
雅びやかな町並み、そのちょっと入った路地裏の風景や食文化、習慣、
神社・仏閣、ワンシーンごとにではあるが、目に映ったものの印象をそれなりに持っていた。

少しずつ経験を重ね、大人になってきたであろう私が、今京都を訪ねたら、
今の自分が感じた「京都」をちゃんと人に伝えることができるだろうか・・・
たったひと家族の暮らしの片鱗でもいい、
自分が「これだ」と思える何かをその友達に伝えることが。
そんなことを考えていたら、ふと不安になった。
もう大人なのに・・。

改めて、自分が子どもの頃信じた、日本の魅力のひとつ。
まずは、京都に行ってみよう。
近いうちに、きっと。

余談だが、もうひとつの私の夢。
それは暮らしていく中で出遭った人たちと、物々交換すること。
これもいつか、きっと。


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コメント 4

006

はじめまして!コメントありがとうございます。始めたばかりのようですね。いい文章書かれますね^^爽やかです。
京都は何回か行ってますが、この季節の京都の気候はかなり暑い!にも関わらず、神社、寺の中の涼しさ、すごいです。肉体的にも精神的にもよくできてるなーと感心します。雨に濡れて緑が這える庭園も最高です。僕も近々行こうと思ってます。
今はそんな歴史・文化を保存している状態で、それを実行してる人はとても少ないのかもしれませんが(クーラーがんがんで新しいものが求められる中)、それでも京都へ行く人が多いという事実は、日本の魅力に繋がると僕は思います。実行できれば尚良しなんでしょうけどね^^;
でわまた^^
by 006 (2005-07-02 11:25) 

おりこうしんや

こんにちは。京都にゆかりがあるのですか?
ぼくは沖縄に来るまで、ずっと京都で暮らしでした。
そのときは、みんな、なにを「良い」と言ってるのか、
いまひとつピンときていませんでした。

でも、いま、帰省すると、ほんとその深さと広さに驚かされます。
月うさぎさんが、どんな魅力を見つけたり、出会ったりしてこられるのか。
とっても興味あります。ぜひ、教えてくださいねぇ。
by おりこうしんや (2005-07-02 12:35) 

月うさぎ

☆006さんへ☆
こんにちは。こちらにも来て下さりありがとうございます!
本当におっしゃる通りだと思います。
神社の境内の中を吹き抜ける風を肌で感じ、緑の苔と玉砂利の色のコントラストを目にし、水、竹などがさらさらとたてる音など、人の五感に触れるものが自然とそこに存在するのが素晴らしいのだと思います。四季折々の自然の佇まいの中にあって、どんな風景にも馴染み、その景観を損なわせないやり方で暖を取り、涼んできたのでしょうね。
時に、京都や富士山が、私たちの心の何かに訴えかけるのは、きっと日本人だからなんでしょうね。日本の魅力は至るところに本当はあるのだと思います。
力強い貴重な言葉をうれしく拝見しました。ありがとうございました。
by 月うさぎ (2005-07-02 16:31) 

月うさぎ

☆シンヤさんへ☆
私は、小学一年生から高校卒業までの12年をずっと関西で過ごしました。とは言っても、その間5~6回引っ越したので転校生でしたが。
京都は母がお茶のお稽古をしていたので、毎週のように連れて行ってくれました。季節の折々というわけでなく、毎週末のように家族で京都や奈良の神社やお寺に本当によく足を運びました。(趣味:御朱印集めの小学生)
外食は滅多にしない家族ですが、お正月だけは特別だったのです☆
「八坂神社に初詣に行くと、必ず!お寿司と葛きりが食べられる。」
何かの呪文のようですが、いつしかそういう習慣になりました。
それはそれは毎年もうっ本当に楽しみでした(笑)
お寿司は玉子と胡瓜巻と穴子しか食べられなかったしょうもない私ですが(せっかくカウンターなのに!)葛きりの美味しさと美しさといったら!
あの黒蜜のとろりとした感じ、どこまでも透き通ったまろやかな氷、葛の不透明な色・艶・モチモチとなめらかな舌触り、そしてご立派な漆の器!(お菓子なのに)ほかでは得られない幸せです!
京都人のシンヤさんがうらめしい・・もとい、うらやましいです。
by 月うさぎ (2005-07-02 16:56) 

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